エレガントな日本のシラー【赤ワイン】

シラーといえば、スパイシーで骨太なイメージがあります。
アメリカやオーストラリアのシラー(シラーズ)はまさに、肉に合うワイン。
パワフルさが印象的です。

一方、日本のシラーはかなり上品な仕上がりになっています。
今回紹介するのは新潟にあるドメーヌ・ショオのワイン。
北ローヌのシラーに近い印象で、スパイスの香りを持ちながら非常にエレガント。
タンニンが控えめな大人しいシラーは美味ですよ。
ピノ・ノワールに似た傾向があるため、ピノ好きな人もぜひ試してみてください。

【生産者】ドメーヌ・ショオ
【銘柄】Partly Cloudy(晴れときどき曇り)


タンニンが少ないワインが好きで、味わいに奥行きが欲しいという人にはおすすめ。
上質な日本ワインは輸入ものに比べると値が張る傾向です。
このワインは750mlで4,400円。
普段1,000〜2,000円台の旨ワインを探して飲んでいる私からすると、よく飲む価格帯からは外れますが、味のバランスや他にない面白さがあるので「リーズナブル(値段と味わいが妥当)」と思えました。
エレガントなシラーで有名なフランスの北ローヌ地方の、ちゃんとした赤ワインを飲もうとしたら、相場はもっと高いです。余裕で5,000円以上します。コートロティとかサン・ジョセフとかの赤ワインに比べたら安いですよ。

以下、テイスティングコメントです。

外観は、澄んでいて輝きのあるダークチェリーレッド。
縁が明るくなっていて、フレッシュさよりも熟成に向かっている段階です。
シラーにしては色が淡く、ピノ・ノワールのようにグラスの向こう側が見えます。
典型的なシラーと比べるとやや軽快な印象。フルボディではなさそうかなと予想できます。

香りはカシス、ブラックベリーといった果実、そしてスミレ、ドライハーブ、干し肉、胡椒やクローブなど。土のような香りも感じます。湿度のある感じ。まさに曇り空。

味わいは、やや軽めのアタック。酸がきちんとあり、甘みはまろやかで、タンニンはさらっとして舌に残りません。
スマートなタイプのワインです。果実味はあるけど、ジャムのような甘さではなく細身でしなやか。雑味がなくピュアなフルーツ感が上品さにつながっているように思えます。
香りは湿った木立のようでしたが、飲んでみると結構カラッと乾いた感じでシラーらしく、お日様のような好ましいドライさがあります。

 

人気ワイナリーの商品のため、時期によっては入手困難です。新しいヴィンテージが販売されるタイミングで購入するのがおすすめ。