陰干しブドウのワイン、あれこれ
イタリアワインの勉強会に参加させていただきました。
そこでテイスティングできたワイン6種類のうち、2種が陰干しブドウでした。
・スフォルツァート・ディ・ヴァルテッリーナDOCG(キアヴェンナスカ)
・アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ・クラッシコDOCG(コルヴィーナ・ヴェロネーゼ)
陰干しすると水分が抜けて果汁が凝縮されるので、糖分やアルコール分の高いワインができます。
ブドウを陰干しして作るイタリアワインはいろいろありますが、
「陰干し」にあたる単語にバリエーションがあって
それぞれどう違うのか、混乱しがちです。
自分の確認のためにも調べてみたので、まとめてみました。
まず、「陰干し」自体を指す単語は「アパッシメント」appassimento。
収穫したブドウを2〜3か月陰干し。
陰干しブドウから作ったワインの呼び名はいろいろあります。
パッシートpassito:陰干しブドウから作った甘口ワイン
レチョートrecioto:パッシートと同じ。ヴェネト州での呼び名 (レチョート・ディ・ソアーヴェDOCGなど)
アマローネamarone:陰干ししたブドウの糖分を全て使ってアルコール発酵させた辛口ワイン(アマローネは「苦味」の意)
スフォルツァートsforzato:アマローネと同じ。ロンバルディア州での呼び名
他には
ヴィン・サントvin santo:トスカーナ州の、陰干しブドウを長期酸化熟成させたワイン
というのがあります。
冒頭で挙げた、テイスティングの2種はどちらも陰干しブドウを使った辛口ワインということですね。
凝縮感がすごかったです。そして甘みもしっかりと感じました。
ブドウの糖分は全部アルコールになっているはずですが、そのアルコール(グリセリン)の甘みなのか?
ヴァルテッリーナからはリキュール漬けのチェリーのような印象深い味がしましたし、
ヴァルポリチェッラからは赤や黒のチェリー、ザクロ、野生のベリー類の果実味や
栗のような後味があったように思います。
余談ですが、このアマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラを作るときに使われた
ブドウの搾りかすをヴィナッチャと呼び、
これにヴァルポリチェッラのワインを入れて再発酵(リパッソripasso)させたものが
ヴァルポリチェッラ・リパッソDOC(ブドウはやっぱりコルヴィーナ・ヴェロネーゼ)なのですね。
別記事のテイスティングノートで
イタリアは品種や銘柄などいろいろとややこしいなあと書きましたが、
知識を増やして定着させるには、体験と結びつける作業がとても大事だと改めて実感。
陰干しの意味も、過去に一度学習したのに忘れていて
記憶を整理するよい機会になりました。
今回の勉強会で感じたもう一つのことは、どれも色が似ていて表現が難しかったこと!
ルビーやガーネットといった表現の区別は、今後の課題です。
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