AI校正者の仕事ぶりとは?

AIによる自動校正・校閲サービスがあるのをご存知でしょうか?
「文賢」というサービスが開始から2年となります。

有料プランのみで、初期費用+月額制となっており
誤字脱字や代替表現の提案などの機能があるようですが、
実際の使い勝手は、人間の校正作業と比べてどうなのでしょうか。

人間の校正者(私)が、あえてその存在を取り上げてみます。

 

結論からいうと、企業サイトのコンテンツ向けという印象

誤字脱字不快語のチェック句読点の位置などから読みやすい文書作成をサポートしてくれる機能は
人間の素読み校正に加えて見落としの心配がないことから、とても便利だと思えます。
企業サイトのコンテンツなど、一般的でパブリックな文章には適しているかも。

また、推敲のサポート(語尾の重複や表記統一)も可能なため、読みやすい文章にしたいという希望を叶えられます。

 

そして、「文賢」の評価サイトなどでは
書き手は文章作成中に誤字脱字などを気にせずどんどん書いていけるという気楽さがメリットとされています。

 

 

個人のオリジナリティや文章全体のバランスについては……

ただ、ライターや小説家など、自身の「書く力」を必要とする物書きにはおすすめしづらい機能でもあります。
つまり、本人の力が育ちにくいような気がしました。
誤字脱字には本人のクセがあるため、意識して直していくのでなければ誤り続けてしまいます。
(これは、人間の校正者が校正した場合も同じですが)

とりわけ、代替表現案そのままコピペして使用するのはどうかと。。

 

「文賢」の文章表現レコメンド例で「アリーナ1列目をゲットしたときのようなうれしさ」というのがありますが、
実際に他のサイトの記事で全く同じ表現を目にしたことがあります。
文脈からちょっと浮いた表現になっていて、読んだとき少し違和感を覚えたのですが
この記事を書くにあたり調べていて、レコメンド表現をそのまま使用していたのだということに気づきました。

推奨された表現例が必ずしも文章にジャストフィットするとは限らず、それに加えて
そもそもの文章構成、つまり「話の流れ」自体がどうかについて「文賢」による指摘が入ることはないようです。
適切な、あるいは自分がこうしたいと思う文章(自分の個性を出すとか)にするには、
ある程度本人の基礎的な文章力も必要なのかもしれません

AI提案どおりの文章は正しいし読みやすいけれど、
書き手本人の個性独自の表現みたいなものは出にくそうだというのが率直な印象です。
そして、ある程度日常的に、人に向けて文章を書くのであれば
やっぱり自分自身の表現にこだわってほしいと私は思います。

AI校正についてのまとめ

「文賢」はきっと非常にいいツールなんだと思います。
ただそれは、作成したい文章の種類や目的によるのかなとも。

やはりというか、AIにはAIの得意なことをやってもらって
人間はAIの苦手な部分、すなわち人間ならではの力を使って仕事をするのが大切ですね。
(調べた範囲では分かりませんでしたが、AIって目次と見出しの照合体裁のチェック赤字合わせとかもやってくれるのかしら。。個人的には文献チェックと出典の確認をお任せできたらすごく便利なのですが)

最近読んだ『ホモ・デウス』という本にもありましたが
AI技術が進むにつれ、AIが人間の仕事を取って代わるようになる部分は増えるでしょうけれど
それでも、人間にしかできないことがあるのと同じだと思います。

 

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